秋田で暮らすサウナ好きデザイナーが行くサウナ探訪。秋田県羽後町に新しくできた泊まれる文化交流施設 盆宿Uに行ってきました。泊まれる文化交流施設 盆宿Uは築180年の商家「旧柴与家」を改修してできた、2025年8月にグランドオープンした複合施設です。宿やサウナ、カフェ&バー、コミュニティスペースを備えています。
正直あまり馴染みのなかった羽後町に、突如おしゃれな施設ができたのでとっても気になっていました。

泊まれる文化交流施設 盆宿U|基本情報

| 住所 | 〒012-1131秋田県雄勝郡羽後町西馬音内本町47 |
| 電話番号 | 0183-56-7615 |
| アクセス | JR湯沢駅/湯沢ICより車で約15分 JR大曲駅より車で約50分 秋田空港より車で約1時間10分 |
| チェックイン | 15:00~21:00 |
| チェックアウト | 10:00 |
| アメニティ | タオルセット、洗顔料、化粧水、保湿ジェル、ヘアドライヤー、ヘアブラシ、綿棒、コットン、カミソリ、歯ブラシ、館内着 |
| 宿泊者限定朝サウナ | 宿泊料に+1000円で利用 受付にて要予約 7:00~9:00 |
盆宿Uのある通りでは、毎年8月16日~18日に行われる西馬音内盆踊りの会場になっています。西馬音内盆踊りは、国の重要無形民俗文化財であり、日本三大盆踊りの一つにも数えられています。
公共交通機関では行きづらいものの、向かいには西馬音内盆踊りの文化を体感できる、西馬音内盆踊り会館があるので観光に抜群の立地です。
盆宿Uのサウナ情報
併設しているサウナは宿泊者はプラス1000円で朝サウナが利用可能。普段は男性専用のパブリックサウナと、男女共用で入れるプライベートサウナとして利用できます。
近隣(車で5分もしくは徒歩15分ほどの距離)には道の駅もあるので、お土産や食事などを楽しむこともできます。
パブリックサウナ
| パブリックサウナ (男性専用・レディースデイは第二月曜・第四土曜) | 事前予約制 |
| 時間 | 10:00-21:00(2時間制/男性専用) |
| 料金 | 1名様2,500円(すべて税・サービス料込み) 秋田県民割:1名様2,000円 秋田県南割:1名様1,800円 宿泊利用割:1名様1,500円 |
プライベートサウナ
| プライベートサウナ(男女利用可) | 事前予約制 |
| 時間 | 9:30-11:30 / 13:00-15:00 / 16:00-18:00 / 19:00-21:00 |
| 料金 | 1~2名 7,000円 / 3名 9,900円 / 4名 13,000円 / 5名 16,000円 / 6名 18.900円 |
共通情報
| アメニティ | シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、洗顔料、化粧水、保湿ジェル、ヘアドライヤー、ヘアブラシ、綿棒、コットン、カミソリ、飲料水 |
| 無料レンタル | バスタオル・フェイスタオル・サウナマット |
| 有料貸し出し | 水着、オリジナルサウナハット、サウナウェア(各500円) |
| 定休日 | 水曜・木曜 |
サウナは完全予約制で、水着を着て入ります。有料で貸し出しもありますが、忘れないようにしましょう👙⚠️

上記ボタンから予約もできますが、私は電話で予約しました。
米蔵を改装したパブリックラウンジ
おしゃれな音楽が流れている建物の中に入ると、それはまたおしゃれなカフェのような内装。ここでは宿泊のレセプションやカフェ&バー、ブック&レコードライブラリなど色々な用途として使われています。
またDJブースもあり定期的に音楽イベントも開催。とてもイケてるパブリックスペースです。


どこを切り取っても映える素敵な空間。wi-fiも繋がっているのでワーケーション環境としても良さそうです。

ブック&レコードライブラリでは本の貸し出しもあり、おひとり様も充実した時間を過ごせます。ちなみにここにある書籍やレコードは、周辺地域の人が読んだり聞いてきたものが提供されているそう。

盆宿Uのパブリックスペースには、地域のみなさまと一緒につくる「ブック&レコードライブラリ」を設けています。この土地で暮らす人がどんな音楽を聞き、どんなものを読んでいるのか。それをこの土地に訪れた人に開くこともまた、この土地で醸されてきた文化を感じてもらうきっかけになるのでないかと私たちは考えています。
何とも素晴らしい取り組み…!コンセプトがとても素敵です。

夜ご飯にラウンジで食べた豆乳担々蕎麦は羽後町発祥の西馬音内そばを使用したアレンジ蕎麦。素材も秋田のものを使っていて健康的でとっても美味しかったです。本来西馬音内そばは、冬でも冷たいつゆをかけて食べる「冷やがけ」が代表的な食べ方なのですが、盆宿Uのカフェラウンジではアレンジしたあたたかいお蕎麦として食べることができました。
こちらは他にもおしゃれなカフェメニューが豊富なのでカフェだけでも何回も訪れたい…!
蔵をリノベーションした宿棟|バンクルームのご紹介
宿泊棟は、カフェの隣にある建物。受付時に鍵を受け取ってオートロック式の重い扉を開けて入ります。こちらも築180年の歴史ある建築物「旧柴与家」を改修した建物の一部です。


蔵の中を少し探検。ちょっとひんやりしながらもとても趣深い空間です。想像ですが夏だと涼しく過ごせそう。

宿棟を少し歩いて進んだ先には、秋田出身の絵画作家・永沢碧衣さんによる大きな絵画作品があります。こちらは、盆宿Uのアートプロジェクトとして西馬音内盆踊りをテーマに描かれた『廻流』という作品。
所々に、西馬音内盆踊りで使われていた衣装の生地があしらわれていたり、プロジェクト時に地域の子供達と一緒に描かれた箇所など、所々にストーリーがある作品なので、是非とも近くで見てほしい…!

今回は一番安いドミトリーのバンクルームに宿泊。中に入って少し進んだところにありました。
オートロックになっている入り口はとても重厚…!昔ながらの蔵に泊まれるなんてと非日常空間にワクワクします。

重い扉を開くと、クラシックな空間が広がります…!部屋は2階建てになっていて、1F部分は共用スペース。昔から使われてきたのであろう小道具がインテリアとして使われているのがなんとも素敵。唯一無二の空間です。

蔵の中には靴を脱いで入ります。左側にある靴棚もきれいにメンテナンスしていてとても素敵。


トイレとシャワー、冷蔵庫は1F部分にあります。新築並みのきれいさです。

2Fがバンクルームとなっています。建物の造り一つ一つに惚れ惚れします…。

秋田杉でできた2段ベッドは板倉工法という技法でできたオリジナルのもの。宿泊人数は定員8名ほど。オフシーズンの平日に宿泊したので、こちらなんと貸切で利用できました(歓喜!)。
ベッドスペースしかないので、他の宿泊者がいたら、少し気を使いそうな反面、仲良くなれそうなミニマルな空間です。時期を選べば、仲間同士でバンクルーム利用なんてこともコスパが良さそうです。

セミダブルサイズのベッド。こちらにタオルセットと歯ブラシが置いてありました。蔵の中なので、一見ひんやりとしてるのかなと思いましたが、秋田杉でできたベッドだからなのかエアコンがちゃんと機能していたからなのか、そんなに寒さは感じなく、どことなく温かみのあるベッドスペースでした。ベッドサイドの照明はリモコンで調整できましたzzz。

盆宿Uのアメニティ。館内着は、西馬音内盆踊りの衣装を模したデザインで、オリジナルで作られたもの。ワンピースタイプで帯でウエストを結ぶのがポイントです。足袋タイプの靴下も付いていて、とてもおしゃれなデザインです。
サンプルタイプのスキンケア用品はOSAJIのもの。全体的にクオリティの高いアメニティでちょっと特別感がありました。
贅沢な2種類のスイートルーム
今回運よく他の宿泊者がいなかったので、バンクルームを独り占めするという贅沢な体験ができましたが、ご家族やプライベートを大切にしたい方にはメゾネットタイプのスイートルームがおすすめです。
メゾネットルーム~端縫い~では、各家で大切に保管されてきた古い絹布を縫い合わせてつくり、踊り衣装として代々継承されてきた「端縫い衣装」を特別に展示しています。
メゾネットルーム~藍染め~では、秋田県南の伝統的な染め技法を用いて手絞りでつくられる男女兼用の踊り衣装を展示しています。
どちらも一階にはミニキッチン付きのダイニングルームとバスルーム、梁を臨む二階の寝室には藍染め浴衣とレコードプレイヤーを設え、盆踊りと共に刻まれてきた歴史を体感いただけます。
歴史ある蔵の中でゆっくり過ごす体験は、他の宿泊施設ではなかなかできないことではないでしょうか?私もいつか泊まってみたいです。
レディースサウナデー・夜の枠に入ってみた
資材庫として使われていた内蔵を改修したフィンランド式の蔵サウナ”bon-sauna U”。パブリックサウナがレディースデーの日の19:00-21:00の枠を予約して入ってきました。


サウナは宿泊棟の蔵に入ってすぐの場所にあります。奥の紺色の暖簾がパブリックサウナ。入口で靴を脱いで中に入ります。
撮影可能!水着を着て入る蔵サウナ
盆宿Uのサウナは水着着用で入るので、撮影可能とのこと。お言葉に甘えてたくさん写真と動画素材を撮らせてもらいました!同時に、サウナ好きのインフルエンサーの方々にもたくさん来てもらいたいなと思いました。
写真をたくさん撮りたいのであれば、日中の枠がおすすめです。
脱衣所は明るく、真新しい内装の中に古道具のタンスが荷物棚として使われていました。蔵サウナならではの内装デザインです。
浴室は元々の蔵の建物を生かした木の温もりと暗いグレーのタイルの相性がとてもいい空間。雨の日の夜はちょっと寒かったので、Refaのシャワーで急いで体を洗ってサウナにイン。シャワーヘッド、シャントリ類も女性に嬉しいものをセレクトしていてこだわりを感じます。

浴室に飲料水もあるので、水分補給もバッチリ。普通のお水とデトックスウォーターが選べるのはとても嬉しいポイントです。
お祭り気分を味わえるサウナ室

サウナ室は夜だったからか少し暗めの照明設定。3人座れる座面の2段ベンチで定員6人の規模感ですが、1段に2人座る仕様で各席にサウナマットが敷いてありました。
中に入った瞬間に聞こえるのは、西馬音内盆踊りのお囃子のBGM。サウナにいながらも西馬音内盆踊りの世界へ誘われました。まさにご当地サウナって感じです!
室内の温度は100°C近くあり、とても熱々カラカラ系。セルフロウリュで湿度を上げていきました。
若返りの水風呂
bon-sauna Uのサウナは水風呂にもこだわりが。地下水掛け流しの水風呂は、かつて西馬音内で醸造されていた「若返り」という銘酒の仕込み水として用いられたものと同じ水質なのだそう(!)。
若返りを造っていた西馬音内酒造株式会社は、平成三年に惜しまれつつ廃業となってしまいましたが、復刻版の商品がふるさと納税で手に入れることができるので、もし良かったらお試しください。
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仕切で守られた外気浴スペース
外気浴スペースはとても広々。ドアを開けると左側に早速インフィニティチェアが1脚。
右側に進むと奥に広い外気よくスペースがお出迎えしてくれました。こちらには4脚のインフィニティチェアがあり、羽後町の自然を感じるとてもいいスポットでした。夜の利用は少し暗めなので足元にご注意を(照明の増設を検討しているとのことでした)。
裏ワザ!?レディースデーでなくても女性もサウナが利用できる方法
今回宿泊してみて気づいたことがあります。それは宿泊したら、サウナレディースデーでなくても朝サウナに入れるということ!!宿泊客が複数グループだったり男女どちらもいるときは、プライベートサウナとパブリックサウナを男女に分けて開放するということなので、他の宿泊客がいても朝サウナを堪能することができます!しかも日帰りサウナ料金よりも安く利用できます。
蔵カフェで食べる腸活モーニング
盆宿Uの朝食メニューは、とてもおしゃれな発酵モーニングプレート。併設しているおしゃれなカフェ&バーで食べることができます。

麹を使ったオニオンスープや鶏ハム、自家製のザワークラウトなど、健康的で体が喜ぶメニュー。

こだわりは山形にあるベーカリーEN/MEのカンパーニュ。支配人自ら「二日酔いでも美味しく食べられる!」と惚れ込んでわざわざ仕入れているのだそうです。
テイクアウトでも色々なパンが売っているので、朝から近隣に住んでいる(のであろう)おしゃれな方達がコーヒーとパンを求めてカフェにきてました。

クリエイティブチームまとめ
聞けば聞くほど歴史が深く、地域に根ざした企画やコンセプトが散りばめられている盆宿U。所所に光るセンスは錚々たるクリエイティブメンバーによって作られていました。
建築設計
工藤浩平(株式会社工藤浩平建築設計事務所)https://www.koheikudo.com/
工藤浩平さんは秋田市出身で大阪・関西万博の休憩所の設計なども手掛けてました。
(秋田出身でこんなにすごい建築家の方がいたとは…!会社には秋田出身のyoutuberいけちゃんも所属してます)
コンセプト設計・ロゴのデザイン
富川岳(株式会社富川屋)https://tomikawaya.com/
この記事では、宿泊とサウナの体験談の情報しか載せてないのですが(それだけでも結構長い記事になっているはず)、作り手視点の情報も読み応えたっぷりで是非とも読んで欲しいと思ったので、すでに期間は過ぎてますが、クラウドファンディングの記事のリンクも載せておきます。
羽後町の文化に触れる宿泊体験

秋田に生まれて秋田で過ごした期間が長い私ですが、正直西馬音内盆踊りの文化をあまり知らずに生きてきてました。今回、盆宿Uに訪れてみて、恥ずかしながら「秋田にこんな文化があったのか!」という発見があり、とても新鮮な滞在でした。
私が訪れた10月は、町が肥料の臭いがしてちょっとびっくりすることもあったのですが、これは近隣の農家さんが畑に肥料をまくシーズンと被っていて時間帯によってその臭いが強くなる感じる時もあるのだとか。それはそれで、地域ならではだったり秋田の美味しい食べ物ができる過程を知ったりできる機会となりました。
西馬音内盆踊りが行われる期間は、近隣がとても混み合い宿泊価格もグンと上がってしまうのですが、オフシーズンは空いていたり(ラッキーだと棟を貸切で利用できるかも…!)安価に利用できます。
盆宿Uの真向かいには、見どころいっぱいの西馬音内盆踊り会館があるのでこちらも合わせてお立ち寄りしていただきたいスポットです!







